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66ed6bb2 :Anonymous
2013-07-30 21:53
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眠りからさめた(夢のなかで)
ぼくはフローリングの床で毛布もかぶらず寝ていたらしい
静かだ、お母さんや家族のみんなはいないのだろうか?
すりガラスから見える外の景色は薄暗い
部屋を出て家中探したが誰もいなかった
風の音とカーテンのはためく音だけが響いていた
テレビをつけた、ニュースがうつった
外国のニュースだ、上下に黄色いテロップが流れている
何を言ってるのか何を書いてるのかはわからなかった
プツリと映像が途切れたかと思うと、まったく同じニュースがながれる
短い周期の映像が何度もくりかえしくりかえしながれてるようだ
ぼくは孤独に耐えられず泣いてしまった
足音がする!誰かが走る音
背筋を伸ばし涙をふいて玄関を見つめた、家族が帰ってきたのだろうか?
そろそろと玄関に近づきのぞき穴から外の景色をみた
誰もいなかった、嫌な胸騒ぎがしたがかまわずドアノブをひねって外へ出た
静かだ、鳥のさえずりさえ聞こえない
生活音や子供の騒ぐ声も一切の騒音がない、空は鮮やかな紫
吐く息は白くにごり、吸い込む空気はひんやりとみずみずしい
皮膚で感じる空気が、目に見える景色があまりにも鮮明すぎて
ぼくはいま夢をみているとゆうことに気づいていない
ここは7階建ての集合住宅、横にながく端と真ん中に階段がついている
ぼくの家は2階、端から4番目にあった
20ほどの家がながい長い廊下でつながっている
どこかで音がする、上の階ずっと遠くでラジオから漏れる雑音のような音がきこえている
音のほうがくに向かっておおきく声をかけた
「おおぉーい!だれかいませんかぁー?」
足音が響く、たぶん7階の廊下をだれかが走っている
ぼくは足音を追う、足音は廊下のつきあたりまですすみ階段をかけおりはじめた
「あぁ~良かった!人がいるんだ、この足音は僕の所にむかっている」
目覚めて誰にもあっていない、この世に1人ぼっちではないかと思う不安感
から解放されほっと息を吐く、そしてふとおもった
「あれ、このひと大丈夫かな?」
階段をたたく足音、その間隔が異様に短い、テンポもめちゃくちゃだ
変な走り方をしてるのか?それにしても早いものだ、もうすぐそこまできている
階段を叩く音は1つ上の階でとまり、3階の廊下
ぼくの上を通りぬけていった、端から4番目
ぼくの声がきこえたであろう場所まですすみピタリと止まった
「2階ですよ」そう言おうとした言葉を飲み込んだ
無音、自分の心音がうるさく聞こえる
物凄い速さで階段を駆け下りてきたそいつの息継ぎの音が聞こえない
頭上を通りぬけていった音も不気味だ頭のおかしい人が踊っているような
歩幅も間隔も、足音もなにもかも不規則でめちゃくちゃだった
逢わないほうがいいだろう、家にもどろう
ぼくは音をたてないように家にむかった
怖かった、恐怖を感じるとおもしろいものだ自分の体じゃないみたい
足ががくがくふるえて、泥をまとったように体が重い
ふらつく体を壁で支えながら家にむかってすすむ
あいつはなんなのだろう?あいつらだろうか?
重なって走っていた?なぜ無言なんだろう?
人間なのかすら疑いたくなる
視界がぐるぐるまわり、口が渇くのどが痛い息ができない
呼吸をするため息をすった、それがまずかった
潰れたのどから悲鳴のような音がもれた、上から足音がひびく
ぼくは叫びながらよたよたと必死に家へと歩いたが
今度は早い、廊下を叩く音は階段を叩きおわった
家までまだ距離があった ぼくは後ろを振り返った
ああもうそこにいるのだろう
あの廊下のつきあたり、階段のある曲がり角から
とゆうゆめ
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