日本の裏側

4e0f2c86 :Anonymous 2008-06-26 09:32
新車の国内需要がやばい。 
この一億三千万の経済活動が織り成す500兆のマーケットは、
移動ツール、娯楽、ぜいたく品としての車に、はっきりとNOをつきつけた。 
日本では機能の発揮どころの無いツーシータースポーツも、
巨大で静寂なエンジンを積んだビッグセダンも、
燃費と‘あのタレントも乗っている’が売りの軽やミニバンも、
国民の車離れはただただ口をあけて見るよりほかは無いようだ。


人の興味は常に何かを模索しているし、
平の会社員がビルを所有してた時代と、
世界中の情報をテラバイトの箱の中に呼び込める現代で、
あいも変わらず興味の対象が同じなのもおかしいし、
戦後最大のロングランヒット商品が、落ち着いたと考えるのもありだろう。
おれたちの国は江戸時代以降、高速で海を渡ってくる無数の情報を、
木綿の素地に一生懸命刺繍し、アレンジと言う名の染色をしてきたのだ。
それがひとつ終わっただけのこと。


ところが経済界はそうもいかない。
政府までもをバックに迎え、あらゆる媒体を使っての
新車買おうよキャンペーン中だ。
「エコな車に乗り換えようよ」
「エコロジーじゃない車なんてダサい」
「友達と電話で話すより、車で会いに行ったほうがいい」
そんないつものだまし討ち広告に加えて、
「ガソリン代が上がったから燃費の良い新車に乗り換えよう」
「自転車やバイクは駐車禁止どんどん取るから、車を買おう」
なんて政治力をフル行使したやり口まで横行してる。
一面真っ黒の理解不能な映画を、天文学的な予算を国民の財布から
抜き取って作っておいて、割引券を買えと迫ってくる。
それでシアターが満員御礼になるなら、シベリア超特急は生まれちゃいない。
 

エコという最高の金のなる木を見つけた先進国だし、
それを利用して車を売るのも企業戦略としちゃ常套手段なんだろう。
車を買わせるために、雑誌やテレビを使って小さな偽りの刷り込みをしていくのも、
今にはじまったことじゃない。
それを滑稽だと笑っているだけじゃ、大した前進もないし、
その辺の素人のネットコラムでも読み漁ってくれりゃいいことだ。
灰色の視点はそこじゃない。
怒涛の滝のように流れてくる、いい加減な情報の源、
万札色に染まった泉に向けなくちゃならない。


資本主義は新たな段階に入っていて、
一昔前までのように、緻密なマーケティングや先読みの感性なんてものは
だんだんと不要になってきている。
そんなことに金を使うなら、1円でも多く政治家に金を積む。
そして情報をコントロールして、情報の検索に疎い消費者を、
アクリル製の渦潮に巻き込んでいくのだ。
自民党議員の出版本が大人気という捏造ニュースについて。
北陸大地震の際の原発放射能漏れについて。
あれだけ騒がれたタミフルが、政府の進めるワクチン対策委員会の指定薬に
なっていることについて。
ここ一ヶ月だけで情報のコントロールが何度あったことか。
(上の三つのうち、あんたは幾つ気がついていた?二つ以上見逃していたなら
感性が鈍っている証拠。。新聞は流し読みするだけならただのゴミだ)
だからこそ車もそうしてきた。
車の事実上の需要は2000年に頭を打っていたが、
相次ぐ新車発表。エコの水晶玉の後光を利用。
土砂降りの中必死に耐える宅配業者のやつみたいに、
雷鳴轟く市場を低空飛行していたのだ。
ところがそれも限界。
源流は決壊したのだ。 


どうして車が売れないと困るのか。
それを知ると自ずと全体は見えてくる。 
NY市場の引けを待ってるあんたも暇だろう。
ちょっくらおれと国交省までジャンプしてくれ。。 


車が減るとどうなるのか。
答えは簡単。道路がどれだけ不要になる。
毎年冬になると馬鹿みたいに掘り返してはコールタールを流し込む作業も、
税金の使い切りと道路族と役人のポケットマネーを膨らます為だけに
やられているわけじゃない。
全国的に主要道路を同時封鎖すれば、それだけ渋滞が増える。
道路の必要性が増すわけだ。
日本人は自分の時間は一山いくらで魂もつけて売り渡すが、
会社の時間は一秒だって無駄にしないからね。
そんな道路需要を均一に保つのも、道路族の大切な使命だってこと。
帳簿が真っ黒の土建業者から金を貢がれるだけが仕事じゃない。
ところがここに来て急速な車離れ。
更に運の悪いことにガソリン税のひと悶着で、
実際の道路に必要な金は三十兆もあれば十分なことがばれちまった。
正に政府にとってはぼたもちを食った後の泣きっ面に蜂。
60年かけて築いてきた最大の利権が、ジャングルのスコールみたいな
勢いの世論によって崩される危機だ。


さて、ここであんたに質問。
前の段落でおかしな部分がある。わかっただろうか。
その通り、道路の需要なんてものは時代によって変わるもので、
人口、経済、技術革新によってどうとでも変化するあやふやなもんだ。
にも関わらず、道路利権はきっちりと予定の枠組みどおり自民党に
吸収され、重要な選挙資金に化けている。
これって不思議じゃないか。
その謎を今から明かそうってんだ。
わざわざジャンプしてもらったのはその為。答えは国交省にある。


国土交通白書なんてものが世の中には出回っている。
建前上の潔白な民主主義を装うために、毎年欠かさず出版し、
決まって売れ残る経済・社会白書のうちのひとつだ。 
こんなものをちゃんと見るのは、政府御用達の学者先生か、
スポンサーの為なら黒も白に変える魔法使いのメディアだけ。
故にどんな本よりエキサイティングな内容だ。
2005年版を見ると、あっさりと答えは書いてある。 
日本は既に、市場がどうなろうと、車の形が変わろうと、
そしておそらくエンジンの概念が変わろうと、移動階層が
雲が棚引く空に変わろうと、道路をこれだけ作るってものが
決まっちまっているんだ。
道路をこれだけ作りましたって記録が白書には載ってるんだが、
その横に進捗率なるものが書いてある。
進捗率ってのはつまりどれだけ進んだかって数値。
42キロのマラソンを21キロ走ったら進捗率は50%だし、
500メガの動画を100メガ落としたら進捗率は20%って具合。 
現在(現時点完了) ÷ 全体(計画) = 進捗率 
だから、これを応用して予定値が求められるんだ。 
以下が2005年度終了時点での完了とそこからわかる全体値。 

■ 高規格幹線道路(要は高速道路と専用有料道路ってこと)
完了:8,730キロ  予定:14,000キロ 
■ 一般道路
完了:300,186キロ 予定:1,180,342キロ 

高速道路をいい加減無料にしろよなんて日経読みながら呟いているおっさん
いるだろう。そんな話を上司に振られたら、この話をそのままつき返してやれば良い。
何を言ってるんだってね。
政府はまだまだ金を寄こせってさ。高速が無料になる為には、少なくとも今までの
倍近くの時間が必要ってこと。
無知で、政治に無興味で、なんだかんだ言われるがままに払う国民からは、
死ぬまでもぎ取るのが永田町スタンダードだ。


因みにこの予定の距離だけど、
距離数だけは決まっていて、実際にどこを通るとか、どういうルートにするか
なんてことは決まってないんだぜ。
愉快だろう。
金をかき集めることだけが決まっていて、実際にどう使うかは後で決めりゃ
いいんだとよ。
証拠に、やつらは目先の高速工事だって、
住民の立ち退き交渉が終わっていないのに、排除出来ることを前提に予算編成
してやがるんだから。。 
虫けらの戯言など、支配者の財布事情の前では塵に同じ。 


腹が立ってるかい。
でもな、その腹を立てている相手が、ほんの二ヶ月前に、
真剣な顔をして、
「道路が必要なんです」
「まだ道路が足りない地方もある」
と言っているのを、結構な国民が真に受けたんだぜ。
そんな同情を買うためのシリアスフェイスの裏で、
向こう数十年今のペースを維持したコールタールの無駄使いが
決まっているなんて、多くの消費者は思いもしなかったんだろうな。 


こういった背景があるから、車の売れ行きが減少することは、
絶対に避けなきゃならない訳だ。
テレビ離れによるマスコミ戦略も不燃。
経済誌の売れ行きも落ちて、情報弱者も減っている。
多分こうなりゃやけだろう。
今日のこの記事のことをどっかで覚えていてくれ。
近いうち必ず政府は、
新エコ基準にパスした車じゃないと、乗れなくなりますとか
言い出すから。
世論が反発したら、移行期間を10年とするとか、
新車を買ったばかりのやつは銀行で特別ローン編成出来るとか
そんな具合になるとおれは考えている。 
おれの予言は意外に的中率が高いことは、長い読者はご存知だろう。
これも単勝一点張りでベットに加えておいてくれ。 
予想が覆されるとすれば、政権がひっくり返って、
現政権の黒い膿がさらけ出された時かな。。
おれの相場屋としての株はがた落ちだろうが、
国は六十年ぶりの日本晴れの予兆、悪くない犠牲フライだ。 


あとがき 
因みに車の台数は、2000年までの急激な成長をあざけ笑うように、その翌年
から完全な横ばいになっています。エコロジー啓発や二輪の取り締まりなど、
かなり必死な手段をとっていることを加味すると、次なる飛躍の為の屈伸とは
言いがたいです。新車の折れ線グラフは見るも無残な下降線でしょう。 
因みに景気が悪化したことをしきりに自動車メーカーは言い訳にしますが、
自動車白書を見る限りそれは真っ赤な嘘です。バブル崩壊があろうが、銀行の
倒産連鎖があろうが伸びてきた成長曲線が、2000年に止まる理由には合致
しません。私が思い出して比較したデータは勿論一つ。家庭へのインターネット
普及です。1999年から爆発的に普及した地球と同じ広さを持つ開域網への
パスポート。1年間の誤差を、情報検索の精度を養う上での準備期間とすると、
ピタリ当てはまります。ついでにこれは調べていませんが、テレビの視聴率の
下降推移も並べるともっと具体的に把握できるかも知れません。時間があった
らメディア・娯楽関係の白書でも立ち読みしてみて下さい。
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