アニメ

ce1b3280 :Anonymous 2018-01-04 02:40
以下は新海誠のアニメ作品『君の名は。』の感想。ネタバレを含むので注意。

テレビ朝日の放送で『君の名は。』を見た。自分にとってはこれが初新海誠作品。
新海誠は『ほしのこえ』とか『秒速5センチメートル』とか、作品のタイトルと映像から醸し出される臭さから
絶対に見てはいけない奴だと忌避していたけど、テレビでやっていたので最後まで見た。
感想としてはやはりイメージ通りの作風をする人だなと思った。なのでもし新海誠の作品に対して、
「どうせなんの接点も無い男女が運命だとか超自然的な現象によって短期間で恋に落ちる、恋愛経験のない人間が考えたラブストーリーものだろ?」
と思っているのであれば、あなたのその直感は正しい。
ただ前半15分は「あれ、思っていた作風とは違う」とは思った。一般人が忌避するようなオタク特有の表現は無かったし、そのまますんなりストーリーに入り込めた。
「自分の考えを改めるべきでは、細田守よりも全然良いじゃないか(前前前世の挿入歌に合わせて)」と思っていたけど、後半になるにつれて素の新海誠が出て来たのか、
丁寧に積み上げていた前半部分から後半はトーンダウンしたように感じた。恐らく入れ替わっていた彼女が過去に死んで消えてしまう事を、好きになった異性の事を忘れずに
必ず会うという本作のテーマへと昇華させたかったのだろうけど、隕石落下のパートは蛇足のように感じた。そのまま入れ替わる前と後の心理状況の変化を描写して、
最後には会ってハッピーエンドで良かったのでは?
結論としては、「新海誠の作品に忌避感があるけど、大衆に受けたのだしチェックするべきでは」という敬虔なアニメオタクはそのまま見なくていいよ。


以下はオタキングが『君の名は』について語ったことをまとめたこの記事について↓
「『君の名は。』は”バカでも分かる”作品だからこそヒットした」岡田斗司夫が語る『君の名は。』ヒットの要因
http://originalnews.nico/462

上記の記事のオタキングのこの発言
> でも、「このままではお前はジブリにはなれない。庵野(秀明)や細田(守)にはなれない」……と言われたかは分からないけど、そこで一念発起して、
>「よっしゃ、わかった! 俺は中学生・高校生、言い方悪いけど“バカ”でもわかる映画を撮るぜ! オラァ、作った!ほら、バカが泣いてる!」っていうのが
>『君の名は。』なんじゃないかと(笑)。作家性をあきらめて、誰にでも分かるように徹底的にベタな方向にした。だから、この作品は大ヒットしているんじゃないかと思います。

これはたぶん違う。上記の記事で指摘している通り、作中では主人公の女子高生の父親と母親が過去に入れ替わっていたことを暗示させるような描写があるけど、
もし新海誠が本当に“バカ”でもわかる映画を撮ったのであれば、その事を明確に描写するはず。あまり言及せずに済ませたという事は、彼が徹底的に自身の作家性を殺して
大衆に受けるような作品に志向したわけではないということ。まあ過去の新海誠の作品を見ていないからあまり断言はできないけど。
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