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bafbefb1 :Anonymous 2023-02-05 00:49
>>8d36476e

下部構造と上部構造という社会構造の階層概念こそがアービトラリーの産物であり形而上学である。統治形態と生産/交換様式と文化/民俗/イデオロギーは、並列の相互作用の関係にある。マルクスは法秩序を上部構造と呼んで軽視したことが、法の支配(≠法治主義)および三権分立を破壊する共産党独裁の国家体制(党治支配体制)の成立をもたらす元凶となった。

マルクス主義の弁証法(弁証法的唯物論と史的唯物論)には、重大な欠陥が存在する。それは、ヘーゲルの絶対精神を無理やり共産主義に置き換えただけのものなので、共産主義で歴史が終わってしまうということである。つまり、事象のダイナミックを扱う弁証法でありながら、スタティックな形而上学(≒神学≒イデア)がゴールとして組み込まれてるのである。私がマルクスの思考を幼稚だと述べたのは、(能力に見合わない)壮大なビジョンを描こうとしながら、その中身が余りにも杜撰だからである。

そもそも、共産主義というユートピア自体が、地上に天国(神の国)を作るというローマ・カトリック教会の唯物論版でありし、マルクスのアソシエーショニズム(アナーキニズムの一種)としての共産主義は、イスラム教スンニ(主流)派のカリフ制アナーキニズムの社会体制とそっくりである。

マルクスの想定する共産主義は、①社会の生産力が高度に飛躍し人間が必要労働から開放され、②暴力装置としての国家権力が不要になる社会(それは擬制法人としての国民国家体制≒ウェストファリア体制の解体に他ならないだろう)という二重の要件が課されているが、そもそも社会の生産力と統治形態は別物である。

共産主義の本質はアソシエーションに基づくアナーキズムなのだが、そのアナーキズムを実現する過程でプロレタリアート独裁という強大な国家権力を求める。マルクス主義は、国家の法制度を下部構造である経済(階級)関係に従属する上部構造と呼び軽視する。ここで、権力分立や法の支配は機能しなくなる。

労働者の独裁はすぐさま共産党の独裁に置き換えられ、共産党(員)の独裁はやがて中央委員会の独裁に置き換えられ、中央委員会の独裁は政治局(員)の独裁に置き換えられ、最終的には政治局の独裁は、一人の書紀長という名の最高権力者に置き換えられた。

この最高権力者である共産党中央委員会政治局員のトップたる書紀長は、それ以前のどの時代、どの国家の専制君主よりも強大かつ万能な権力を持っていた。それは、まさに、地上を支配する神のごとき絶対権力であった。
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