【ただひたすら書き込むスレ】

b86e5c03 :Anonymous 2013-08-11 23:06
限られた人間しか情報を発信できない時代では価値観が統一され、みんなが面白いといえば自分も面白いと言わなければいけない風潮だった。価値観の統一は大多数との一体感を得られ、過去を語る上で共通認識として通用する。しかしそれは自分にとって見せかけの価値観で本来の自分の中から湧いてくるような快感ではなかった。やはり嫌なものは嫌だと言いたいし、好きなものは好きだと言いたい。

既存の価値観に満足できなかった人間はネットに自分の居場所を作った。個人が情報を発信できる環境ではマイノリティの価値観は受け入れられマイノリティ同士情報を共有し巨大なコミュニティにまでなった。昔よりもだいぶ過ごしやすい時代になった。

しかしそのコミュニティにも満足出来ない時代が来る。そのコミュニティ内でも好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと言えなくなる瞬間が増えた。人が増えすぎたコミュニティにも価値観の統一が起き、自分たちにとってそれは本当に良いものかどうかを語る機会が失われた。コミュティは情報を共有するよりも、自分たちが如何にそれが好きかを語る場所になった。結局そこでもマイノリティの意見の排除が起こった。

今では私が好きだから良い、私が嫌いだから嫌い、そしてみんな感性は人それぞれ、だから私の感性を否定することは許されない。そういう時代。多様性を求めたネットの環境はついに個性という価値観に帰結した。もう誰にも意見の否定は出来ない、語ることもない。そして昔ほどの一体感も得られない。あるのは空虚な個性という墓場だけ。
Powered by shinGETsu.