「96条には合理性」民主党が改憲公約案を了承 自民との違いを強調
2013.5.31 21:41 [自民党]
 民主党は31日の憲法調査会(大畠章宏会長)役員会で、参院選公約の憲法に関する原案を了承した。「国防軍」の保持を訴える自民党に対し、「自衛隊」の名称変更は不要との立場を強調。改憲手続きを定めた96条先行改正への反対を明確にするなど、自民党との違いをアピールしている。参院選マニフェスト(政権公約)に反映させる。
 原案は、自民党の公約原案が「自衛権の発動を妨げないよう、国防軍を保持する」としていることとの対立軸を鮮明にするため、「制約された自衛権」「自衛隊に対する国会のチェック機能(民主的統制)を明確にする」と記述した。
 96条先行改正に「賛成できない」と明記したが、現行憲法が改正の発議要件を衆参両院の「3分の2以上の賛成」と規定していることについては「合理性がある」との表現にとどめた。役員会は2月、「96条改正は不要」との方針を確認していたが、党内の改正容認派への配慮から「反対」には踏み込めなかった。
 一方、「象徴天皇制の堅持を前提」とし、自民党との違いを明確にした。
 民主党には、安倍晋三首相に「好戦的」というレッテルを貼りたいとの思惑もあるようだ。首相が否定している徴兵制についても、わざわざ「禁止」と原案に盛り込んだ。党関係者によると「歴史を忘れたの? 日本はこれからどうなるの?」とのメッセージと戦車に乗った首相の画像をあしらった配布物を作製する計画もある。

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